2011年11月25日金曜日

とあるマスタースクリーンの感想


マスター・オヴ・マスタースクリーン

 世界各国に色々興味深いRPG用アイテムは、探していくと沢山有る。便利なアイテムもあれば、「何に使うんだよ?」とツッコミを入れたくなるアイテムもあるだろう。その中でRPGの出生国であるアメリカは、「これはおかしいわ!」や「アホだ!」と日本人からすると本当にツッコミを入れたくなるアイテムを発案し販売しているのだ。
 その一つマスター・オヴ・マスタースクリーン(正式名称を忘れたので、調査中)と言われる、マスタースクリーンである。作っている会社は違うが、しっかりウィザード・オブ・ザ・コースト社からD&D公認商品として出されている。証拠として、D&Dロゴも入っているのだ。
 マスタースクリーンとは、プレイヤーに知られてはいけないシナリオ・データなどの情報を隠せるついたてである。プレイヤー側には格好いいイラストかサマリーを見せ、マスター側もサマリーやデータ表を記載している事もある。スクリーンの裏でダイスを振っても出目の調整ができる便利なアイテムだ。
 では、マスター・オヴ・マスタースクリーンはどう「ツッコミ」を入れるものか? 写真を見て貰いたい。



 何かの城門になってごつい。そう、このスクリーンは城壁の姿をしており、材質は石膏で出来ているのだ。普通はある程度強靱な紙で作ればいい。しかし、このマスター・オヴ・マスタースクリーンは(おそらく)日本人的思考から言うと、アホとしか言いようのない代物である。石膏である以上重く、総重量は2kg前後となる。しかし、嵩張る為にそれ以上の取扱注意品だ(後述)。
 今回、DnDエンカウンターで知り合ったルン太郎さん(ブログ:http://blogs.dion.ne.jp/westmoon/が入手し、車を使ってD&Dエンカウンターの開催店舗まで持って来ていただけた。DMを担当する私が使用して、レポートを書いている次第である。はい、ここでツッコミが入る。たとえば、下記のように……、

「なんで買ったんだよ!」もしくは「こんなもの買うア(中略)がいた!」だ。

 実の所、私はこういう日本人からすれば変梃なアイテムが大好きなので、「こんなもの買うア(略)」の部類に入る。類は友を呼ぶと言う所である。先にネタを出されたので実の所若干悔しかった。

 さて、前置きや関係ない個人的感想が長くなったが実際に使ってみた。
 大きさは普通想定される4つ折り式マスタースクリーンと比べると、かなり大きくて分厚い。ある程度マスターの作業スペースを確保した場合(総面積がほぼA3の紙が1枚置けるスペースとしよう)、かなりの空間を占拠してしまう。普通の折りたたみの会議テーブルだと、場所をとりすぎて中央に地図等が置けない位になるだろう。D&D公認アイテムなのでD&Dで考えればこれは痛い。つまりこのマスタースクリーンを設置する場所を選ばないと、バトルグリットマップのスペースを確保するのが難しいのだ。テーブルの追加などをして要塞化が必須になる。城門パーツと城壁パーツは別れており、すきな角度で調整が出来る。しかし、問題は石膏で作っているから頑丈だとは言えない。マスター側にはミニチュア置き場と同じ会社が作ったトークン入れがある。そこでミニチュア置き場の耐久性が脆いという事をルン太郎さんの開封動画で判明した(録画されていたらいいのだが)。あまり乱暴に扱えないのだ。
 城門パーツの見張り塔部分は片方がオープンダイスロール用、片方がクローズダイスロール用のダイスタワーになっている。D&Dで遊ぶために作られているため、大きさはよく売られている20面の範疇なら、無理なく使える。ただ、オープンダイス用の塔はテーブルに布など摩擦や衝撃(?)を緩和する処置をとっていないと、結構遠くに飛んで行ってしまう可能性があるし、ダイスがミニチュアに当たる交通事故も起きるために、何らかの対処は必要だろう。専属マスター(猫)を飼っていたら危険だ。ダイスが吹き飛んだ結果、専属マスター(猫)がダイスに飛びつきゲームどころではなくなる。専属マスター(猫)を部屋に入れるなと言うツッコミは受け付けない。
 遮る高さは普通かと思う。マスタースクリーンを越えてミニチュアやトークンを移動させる手間は、普通の紙製マスタースクリーンとほぼ同じ程度で問題はない。紙製より重い分、しっかり立っているために倒れる心配は少ないだろう。ただ、ダイスタワーに腕が当たった場合だとその限りではないが、私が使っていた時は城壁が腕によって倒れるというアクシデントはなかった。何となく「今自分で動かすと倒れるかも」と思って、プレイヤーにコマの移動・除去をお願いする事で事故を避けていたと思う。



 マスター側には棚があり、DnDミニチュアを置けるスペースがある。城壁は中型まで、正面城門が大型用だ。ただ、DDM4版対応した時に大型ベースが大きくなったため、その場に置けるのかという疑問は残る。残念な事に4th対応版の大型ミニチュアは持ってきていなかったので、検証出来なかった。超大型はまず無理と考えよう。

 1日使ってみた感想としては、『便利で面白い』である。マスタースクリーンを越えて、ミニチュアを動かすところでもそれほど邪魔にならなかったからだ。また、賑やかな場所でこれを設置すればまず目立つこと間違いない。他社製品であるが立体型のゲームタイル(例:Master Maze製品)と併せて使うと豪勢な卓になるだろう。丁寧に扱わなければならないが、マスタースクリーンの主要目的である『ついたて』としては、かなり優秀であると思える。
 しかし、価格的にも取り扱いや収納等、問題もあるために、「オススメ」アイテムではない。本当に、「何で買ったんだよ!」とツッコミが入り「アホだ」と褒められる(?)事を覚悟の上で購入する、体を張った「ネタ」アイテムだと私は思う。


0 件のコメント: